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禾髎(かりょう)穴 [東洋医学]

 今日は禾髎(かりょう)穴です。
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 髎とは、肘髎穴のときにも書きましたが骨の隙間、凹みを指します。


 一方禾は、Wikipediaによれば、『イネ科植物のアワを意味し、その穂が垂れる様子に象る~(中略)~穀物一般の総称としても用いられた。』とあります。

 禾が、経穴の名前の由来となったのは、穀物一般、つまり食物のことを指しているという説と、その穂が垂れる様子~つまり口髭のことを指しているという説があります。

 食物を摂るのが口であるために名付けられた、あるいは口髭があるところであるために名付けられた、どちらにしても禾は経穴の部位~口の部分を指しているということのようです。


 仮に口髭説で考えると、口髭のあたりにある骨の凹みに、この経穴があるのでわかりやすいかもしれません。



 この経穴は、よく鼻炎に効くツボとして用いられます。その他にも上あごや上の歯や顔面神経の症状にも有効です。



 面白いのは、大腸経の流注図を見ると、前回の扶突穴からこの禾髎穴に至る経絡線が、身体の左右を横切っている場合と、そうでない場合があることです。大腸経以外の経絡では、こんなケースは見たことがありません。
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この図では禾髎(かりょう)穴ではなく、次の迎香穴から左右を横切っています。禾髎(かりょう)穴からの図は残念ながら用意できませんでしたが、実際は禾髎(かりょう)穴から左右を横切っている図の方が多いかもしれません。

 私の感覚では、どちらの場合もあって、ケースバイケースでどちらに流れているかを選択して使用すべきではないかと思っています。

 これまでお話してきたように、大腸経が主に強い腕力を発揮するときに使う筋肉と連動していることと、大腸経が、この後足の胃経につながっていくことから、例えば右足でふんばって右腕力を使う場合と、左足でふんばって右腕力を使う場合の二通りのケースが存在することと関係があるのではないかと思います。


 症例でわかりやすくいうと、寝ている間に歯ぎしりをしてしまうとか、知らぬ間に歯を食いしばってしまう等の症状の場合、左右の手足のアンバランスな力みと、左右のあごの上下を流れている大腸経や胃経のアンバランスな気の流れが連動している可能性があります。
 だとすれば、その方はどちらかの肩の可動が悪かったり、どちらかの腕や指に痛みやしびれがあったり、胃腸が弱かったりする症状があるかもしれません。

 整体では、その症状それぞれにアプローチをしていきますが、第一原因が、腕の力みなのか、足の力みなのか、ストレスなどからくる胃腸の悪さなのか、歯並び、虫歯などの歯の症状なのかによって、根本的な解決方法を解明して選択する必要があります。

 そうしなければ、対処療法の繰り返しになってしまい、再発を繰り返す状況をストップすることはできません。整体が、直接症状がでているところだけでなく、全身を手あてしていくのにはこんな理由があるのです。



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