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夏と秋、心経と肺経 [東洋医学]

さて、今回はまた夏と秋に対する経絡の流れ方についての私的な考察についてです。(あまり教科書に書いてないことを勝手に推察ばかりしていると、本部の先生に怒られそうなので、今回で一旦私的な考察シリーズは終わりにします。)


 夏は陰陽五行の配当では心臓、秋は肺とされています。

心臓の経絡のグループは、手小陰心経、手太陽小腸経~手の小陰経(陰の気が極端に強くも弱くもない経絡)と太陽経(陽の気が極端に強くも弱くもない経絡)

となります。


 このグループは手の小指側~身体の後ろを流れています。(身体の後ろを流れているのは足の小陰経、太陽経と同様です。)心臓には陽気の源があって、腎はこの陽気を引き出して命門の火という陽気に転化して貯えています。

 冬には腎に貯えられたこの命門の火という陽気が、身体を寒さから守ります。


 では夏はどうなるのでしょうか?


以前の記事から引用しますと(過去記事参照「明日は」)


 東洋医学の古典に「夏の養生法」について書いてあります。

 「夏三月.此謂蕃秀.天地気交.万物華実.夜臥早起.無厭於日.使志無怒.使華英成秀.使気得泄.若所愛在外.此夏気之応.養長之道也. 逆之則傷心.秋爲痎瘧.奉収者少.冬至重病.」

 「夏三か月、此れを繁秀と謂う。天地の気交わり、万物華ひらき実る。夜は臥し早に起き、日(の長さ)を厭うことなく、志をして怒ること無からしめ、華英をして秀ならしめ、気をして泄を得せしめ、若し愛するところ外に在らば、此れ夏気の応、養長の道なり。これに逆えば則ち心を傷り、秋に痎瘧となり、奉収するもの少なく冬重病に至る。」

ちょっと難しいですが、要するに、自然が陽気を最大限に放射しているこの季節には、人体にあっても内に沸き起こっている陽気を皮膚を通じて外に放散しないと、陽気が内にこもって身体によくないといったことでしょう。(参考;学研、「図説 東洋医学 基礎編」)


 
 手太陽小腸経~手の太陽経には、解熱作用をもったツボ~経穴がいくつかあります。体内の熱を外に逃がす作用があるわけです。



 ここで、私的な考察に入りましょう。これまでのお話では、腎臓の経絡のグループが身体の後ろを流れているから陽気を守ると私的に考察しましたが、なぜ同じ身体の後ろを流れている心臓の経絡のグループは陽気を発散させてくれるのか?

 このことは、人間を二本足の生き物として考えるよりも、もともと四本足の生き物が立ち上がっていると考えると説明がつくのではないでしょうか?図に書くとこうなります。

winter.jpg
 冬の陽気と経絡
~腎に貯えられた陽気が背中を冷気から守りかつ、身体の中心に陽気を囲いこむ。

summer.jpg
 夏の陽気と経絡
~心の陽気が肩から頭に適度に抜けていく。身体の中心は放熱しやすい。


 この考えでいけば秋がこうなります。
 
autumn.jpg
 秋の陽気と経絡
~肺の陽気が頭から抜けていた陽気を中心に戻すように方向転換する。

秋~肺の経絡は、手太陰肺経といいます。対応する陽経は手陽明大腸経です。~手の太陰経(陰の気が最も強い経絡)と手の陽明経(陽の気が最も強い経絡)

 このグループは手の親指側~身体の前面を流れています。肺は衛気という体表面を外界から守る働きをもった陽気の力をもっているといわれています。手陽明大腸経~手の陽明経には、その名も温溜という温経散寒の作用をもったツボ~経穴があります。

先ほどの図でも大腸経が顔のところで腎の経絡(膀胱経)とつながります。秋から冬へ陽気のリレーをしているように見えませんか?




冒頭にも書きましたが、今回で一旦私的な考察シリーズは終わりにします。次回からはまた、ツボ~経穴を一つずつたどってお話していきましょう。


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