SSブログ
身体の使い方 ブログトップ
前の10件 | 次の10件

筋トレとは?(その2) [身体の使い方]

 前回から、筋トレについて書いています。今回はその続きです。

 体には役割や作用の違う様々な筋肉があり、同じ筋肉を動かすにも使い方~力の入れ方によって様々なバリエーションがあるということをお話しました。

 今回はもっと具体的にお話してみましょう。

 まず、トレーニングを何のためにするか?これを第一に考えなければなりません。目的に合わせて筋肉をトレーニングしなければ意味がありません。目的に合った役割の筋肉を鍛え、目的に合った動かし方が強くできるようにトレーニングしなければ何の効果も生まないばかりか逆効果になります。

 短距離のダッシュを強化したいのか?長距離のランニングを強化したいのか?ジャンプ力を強化したいのか?ウェイトリフティングしたいのか?登山の能力を上げたいのか?サッカーボールのキック力を上げたいのか?サッカーボールを細かく器用にドリブルしたいのか?
 太腿の筋肉を鍛えるにしても当たり前ですがそれぞれトレーニング方法はまったく違います。

 しかしこのブログを読んでいる方のほとんどは、健康増進とか、長生きしたいとか、疲れにくい体になる(基礎体力増進)とか、腰痛予防とか、ダイエット等のためにトレーニングしようと思っていらっしゃるのではないでしょうか?

 お腹が出たりしないような、骨格に歪みが無いいい姿勢で常にいられて、ちょっとした動作や負荷がかかっても痛みが出ない、そして疲れにくい、いつも呼吸が楽で、血流がよくて体がポカポカして手足の指先も暖かい、それでいて変に熱を持ったりしていない、食欲も適度にあるような体を手に入れることが目的ではありませんか?

 さて、ではこのような目的のためのトレーニングで大切なことは何でしょうか?

 ダッシュ力やジャンプ力を鍛えるためには、速筋といってすばやく強く収縮する、瞬発力が持ち味の筋肉を強化します。息は止めて体ができるだけぶれないように固定してバネのように体を弾くように使うことを強化します。(同時にジャンプでは助走があり、ダッシュでは体を起動させるための筋肉や加速度が出なくなった後の筋肉も鍛えますが、話が込み入るのでここでは触れません)トレーニングが積み重なるにつれて、この筋肉が体の中で強く作用するように変化していきます。瞬発力の筋肉では長い時間を疲れにくく過ごすことはできません。息を止める筋肉は呼吸を楽にすることはありません。バネのような力は腰痛を解消できません。血流を促進しません。

 そんなことはないはず。鍛えれば鍛えるほど強くなるから、とにかく筋肉さえ付ければいいのだと思う方もいるかもしれません。先日桐生選手が100mで9秒98の記録を出しましたが、それにちなんでTBSラジオの「荻上チキ・Session-22」で筑波大学・准教授の谷川聡さんが、最新のトレーニング論を紹介しています。ラジオクラウドで音声が公開されていますのでぜひ聞いてみてください。特に43:00あたりからが参考になります。→ラジオ音声を聞く

 では私達の目的には、この反対を目指すトレーニングが最適かもしれません。遅筋~ゆっくり動いて収縮力は弱いが持久力がある、どちらかというと、スジとか靭帯とかに近い白い筋肉を強化する。息は止めないで、体がブレる状態を維持したまま使うやり方を強化する。

 いかがですか?イメージしにくいかもしれませんが、これが目的に合ったトレーニングなのです。

 では実際にどういう注意をすればこのようなトレーニングができるか次回お話していきましょう。

DCIM0051.JPG

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

筋トレとは? [身体の使い方]

 前回は安易な健康情報に気をつけてと書きました。そこで筋トレについて今回は書いていこうと思います。長いので何回かに分けてご紹介しましょう。
  近年はトレーニングについて科学的な研究が進んでいて、安易なトレーニング方法はしっかりした検証のふるいにかけられて、否定されるようになっています。書店のトレーニングコーナーには素晴らしい本がたくさん並ぶようになりました。
 一方でその時点の本人の体には有効でも、決して普遍的ではない情報を紹介している安易なタレント本がそれより多く並んでいるのも事実です。タレント本ではないのに間違った情報を伝えている困った本もたまに見かけます。
 何が違うのでしょうか?誤解を恐れずに簡単に言うと、体全体と様々な力のバランスをどう考えているか?という点です。

 心臓の筋肉=心筋のような内臓の筋肉は普通は鍛えられませんから、筋トレは主に骨格筋をトレーニングするものです。人体には400本以上の骨格筋が存在します。ひとつひとつ名前が違って、筋肉を使ったときに起こる作用や役割が違います。例えば太ももの筋肉を鍛えると言っても、主なものだけで、前側に4つあるその名も大腿四頭筋、後ろに2つの大腿二頭筋、内側に3つの内転筋があり、他にも薄いあるいは短い、細いけれども重要な筋肉がたくさんあります。
 太ももの筋肉を鍛えるという時、実験室の解剖されたカエルの太腿の筋肉は、一本だけ取り出して観察もできますが、生きている人体では太ももを動かせば、いろいろな筋肉が同時に動きます。
 どれをどのくらいの配分で動かすかによって、まったく違う動きになります。
 また、骨格筋は主に骨と骨の間をつないでいるので、力を入れるとその骨と骨の間の関節が曲がって体が動きます。この時両方の骨が互いに近づくようにするのか?一方を固定してもう一方だけが動くのか?によっても力の入れ方が変わります。

 太ももの筋肉を鍛えれば、健康になるというだけの情報があるとすれば、受け取る人によってまったく違う動きでトレーニングすることになる可能性があるわけです。

 それだけでなく、例えばスクワットのような屈伸運動で太腿の筋肉を鍛える場合でも、足を地につけて主に足だけを固定した状態で屈伸するのか?固定された足と、力を入れて動かないように固定した背骨の間で太腿に力を入れるのか?では、質の違う運動になってしまうのです。さらに息を止める形で呼吸の筋肉を使うのか、息を止めないのか?呼吸にしても主に横隔膜の筋肉を使うのか、主に肋間筋を使うのか?足を固定するにも、足の指で踏ん張るのか、できるだけ足の指の力は使わないで立つのか?チェックポイントはたくさんあります。これらには実際に正解があって、特別な目的がなければしない方がいいトレーニングもあるのです。

 いかに筋肉群を強くするかが、健康のカギであるならば、このようにそれを正しく伝えることは簡単ではないはずなのです。
今日はここまで。また次回に続きます。

DCIM0050.JPG


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

安易な健康情報にお気を付けください。 [身体の使い方]

 前回は、NHKで始まった人体の医学、科学における最先端の成果を紹介する素晴らしい番組について書きました。このような番組を普段から好んで見ていますが、残念ながら見るのが辛くなるひどい番組に出会うことも少なくありません。またそのような番組が放映されると、その中で勧められていた運動に励んだ方が、お体を壊して整体に来られることもよくあるのです。

 健康でいられること。元気ハツラツとしていられることは、当たり前のことではありません。一度でも調子を崩したことがあれば、誰しもそのよくできた仕組みの有難さに気づくことでしょう。薬や外科的方法に頼らずに、自力で健康や元気を取り戻したり、維持したりできたら素晴らしいということは言うまでもありませんが、その仕組みは精密機械のようにできていて、簡単な言葉で説明しきれるものではありません。

 あまりにも簡単に「ナントカ筋」を鍛えればよいとか、鍛えなければならないという健康法は、ほとんどが偽物です。(鍛えるのが難しいインナーマッスル等を鍛える方法を紹介している場合は、良心的な番組の可能性はあります)

 視点を変えてみましょう。体は柔らかいのと硬いのと、どちらが健康的だと思いますか?もちろん柔らかい方がいいですよね。では筋肉は強いのと弱いのと、どちらが健康的でしょう?強い方がいいですか?だとすれば、健康的な体とは、強くて柔らかい体でなければなりません。これは大相撲の力士やバレリーナ、一流のアスリート達を見てもわかることです。

 ですが、硬くて強いものを作るのは簡単ですが、柔らかくて強いものを作るのは簡単ではないはずです。大相撲の力士やバレリーナ、一流のアスリート達以外で、自然界の中で柔らかくて強いものを探してみてください。

 海流、台風、真夏の太陽、真空。恐ろしいほど柔らかくて強いものたちですが、人力で再現するのは簡単ではありません。ブロック塀、鉄筋コンクリート、硬くて強いものを作る方が手っ取り早くて簡単なのです。

 間違えたトレーニングでむやみに鍛えようとすれば体はどんどん固くなります。例えば人間は筋肉と骨格で驚くほど硬くて強いものになることができます。それは自動車事故でとんでもない衝撃を受けても、瞬時に頚椎等を自動的に緊張させて守ってくれる仕組みです。この仕組みによって命をつなぐことはできても、いわゆるムチウチ症という後遺症に苦しむことになります。
 疲労や長時間動かないことで起きやすくなるのが、寝違えや、ギックリ腰です。ムチウチと同様に、疲労や長時間動かないストレスから体を守ろうとする自動的な仕組みです。守ることに筋肉や骨格を使えば、体は硬くなろうとします。

 骨格や筋肉は前向きで楽しいこと、思わず笑顔になれるような運動を工夫しながらやろうとするとき、自然と柔らかくて強い仕事ができます。スポーツの世界でメンタルや精神論が重視されるのには理由があるのです。

 楽しい気持ちや前向きな気持ちで工夫することなく、病気になりたくない、老化したくないからと守りの気持ちに取り込まれている状態でむやみに力を入れてストレッチをすると、骨格や筋肉は守ろうとして硬くなりながら、逆に柔らかくしようする状態にさらされます。こういうストレッチをすると、ものすごい達成感がありますが、あまり体は柔らかくなりません。むしろますます硬くなるかもしれません。火をつけながら水をかけているような状態ですから、がんばって消火活動をしている実感はわきますが、火をつけ続けていたら意味がないのです。むしろ体に非常に悪い影響をもたらす危険があります。
 筋トレも同様で、安易なトレーニングでは硬くする筋肉ばかりがついてしまいます。これはいわばコリみたいなものですね。

 多くの方が、ストレスや疲労に追い詰められて、さらにお体の不調に苦しまれて、助けを求めて整体院にこられます。なかなか、楽しい気持ちで工夫して運動するなんて気持ちになれないような環境で頑張っておられます。東洋整体術では工夫は私達にまかせて、ひと時の安らぎに身をゆだねていただければいいお体の状態にして差し上げます。

 もちろん自力で健康づくりに取り組むことは大切ですが、工夫しないでできる簡単な運動やスレッチを安易に勧める間違った情報には本当に気をつけてください。ご要望があれば、喜んで正しいトレーニングやストレッチについてのアドバイスもさせていただきます。

 今日は新しい看板の絵も描きたかったのですが、忙しくなってできませんでした。昔の絵をUPしておきます。冬の絵ですが、今日は冬みたいに寒いのでお許しください。
DCIM0039.JPG



nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

「座り続ける生活 死亡リスク増」というニュース!を見て・・・。 [身体の使い方]



長時間座り続けるお仕事の方へ向けて、私が当院のホームページに書いた記事を引用します。


長時間同じ姿勢でいるのは本当に大変なことですね。特に デスクワーク等で長時間お座りになる方は、地球上の生物で人間以外がやってこなかった新しい行動を 体にさせています。
長時間ずっと止まり木や切り株に立ち続けている鳥たちは、飛ぶ代わりに骨盤をしならせて歩くことを放棄して、3枚ある骨盤の骨を 一枚につなげてしまいました。私たちは鳥のようにコンピューターや科学文明の世界に大きく羽ばたくことができますが、細長ーい足だけでダチョウのように歩くか、 ペンギンのようによちよち歩くか、スズメのようにピョンピョン進むかしかできないけど、その代わり一枚に結合した固い鳥のような骨盤は手に入れておらず、チーターや馬のようにしなやかに 走れる、やわらかくしなる3枚の骨盤を 持ったままです。
腰がつらくなるのは、ある程度仕方がないかもしれませんが、腰の元気は体の芯から湧き上がってくるものです。 私たちがその元気を呼び戻す手助けをいたします。また、大変だからこそ、足を組んで背骨や骨盤をねじって動かないようにしたり、顎や歯に力が知らずに 入っていたりして、腰から体全体に広がった歪み、こわ張りをひとつひとつ丁寧に解きほぐします。 その上で、鳥の骨盤のように固まってしまった2枚の寛骨と、真ん中の仙骨の自由を取り戻してしなやかな腰を取り戻します。

そして、毎日長時間座るのは本当に大変なことですが、文字だけでは伝わりにくい固まりにくくするコツはあります。 ご希望の方には、銀行の窓口の方、システムエンジニアの方等にお話しさせていただいて、大変好評いただいている そのコツをお教えします。

DCIM0030.JPG

DCIM0033.JPG







nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

寒さ対策 [身体の使い方]

 急激に寒くなってきましたね。

この寒波からの冷えで体調を崩されている方が来院されるようになりました。


 当院では施術だけでなく、必要だと感じたときには、冷え対策のアドバイス等もさせていただいています。

 もちろん「手首や足首といった首と名のつく部分から冷えが入りやすいから、防寒衣料でしっかり守ること」等の万人向けのアドバイスもお話していますが、体形や体の癖などが一人ひとり違うように、体が冷える理由もそれぞれに異なります。

 ですから、寒さ対策もその場その場で、その人の体に合わせてオーダーメイドで作ってアドバイスすることもあります。



 寒さも体が慣れきっていない今の時期が一番こたえますよね。何とか乗り切っていきましょう。

DCIM0019.JPG



nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

力を抜く方法(その3) [身体の使い方]

 間が開いてしまいましたが、今日は力を抜く方法についいてまたお話しましょう。


 今回のお話は、歪みが既に強く染み付いてしまっている方にはちょっと難しいかもしれませんが、誤解を恐れずにお話してみましょう。


 前回のお話の中で、野球のダルビッシュ投手やフィギュアの羽生結弦選手を引き合いに出しましたが、肖像権の問題もあるので写真を載せませんでした。でもそれでは判りにくいですよね。


 そこで、ちょっと裏技ですが、彼らの本の宣伝をするという大義名分を借りて表紙の写真を見ていただきましょう。

ダルビッシュ有の変化球バイブルアンコール (B・B MOOK 924)

ダルビッシュ有の変化球バイブルアンコール (B・B MOOK 924)

  • 作者: ダルビッシュ有
  • 出版社/メーカー: ベースボール・マガジン社
  • 発売日: 2013/05/22
  • メディア: ムック



ダルビッシュ有(日本ハム) 2009年カレンダー

ダルビッシュ有(日本ハム) 2009年カレンダー

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: トライエックス (株式会社 ハゴロモ)
  • 発売日: 2008/09/29
  • メディア: カレンダー


フィギュアスケートDays vol.15 「インタビュー」羽生結弦/高橋大輔/鈴木明子/ジョニー・ウィ

フィギュアスケートDays vol.15 「インタビュー」羽生結弦/高橋大輔/鈴木明子/ジョニー・ウィ

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: ダイエックス出版
  • 発売日: 2012/10
  • メディア: 大型本





 前回の写真でみていただいた、ゴルフクラブや背骨など、硬いものによりかかったリラックスとの違いが判りますか?
a0055_000759.jpga0001_000469.jpg


 よく野球をテレビなどで観戦していると、解説者が「体の開きが早い」などと言っているのを聞いたことがありませんか?
 あるいは、整体等の宣伝で、骨盤が開くと歪みが出るなどという言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。(骨盤の開きの詳しいことに関しては、このブログでちょっと前にお話した「骨盤の歪みと頭蓋骨の歪み」の記事をご覧ください。)


 ダルビッシュ投手も羽生選手も下の骨格模型に描いた矢印の方向に胸がしっかり締まっています。また、その胸の下では、しなやかな腹筋がリラックスして体を支えています。つまり体が開かずに、しっかり締まっています。
DCIM0010胸が閉る.jpg

また一方ゆったりと広い背中側では、下の骨格模型に描いた矢印のように肩甲骨が上下左右どちらにも動き出せるニュートラルなポジションでたたずんでいます。
DCIM0009自由な肩甲骨.jpg

 このような目で見ていくと、前回お見せした写真の子どもたちとの共通点がよく見えてくるのではないでしょうか?つまり筋力の問題ではなく、バランスの問題でもあるわけです。ダルビッシュ投手や羽生選手のように鍛え上げなければ出来ないというわけではないのです。むしろ子どもたちは筋力の無い分、呼吸や血流といった自律神経系のインナーマッスルが自然とバランスのよい力を配分しています。
a0780_000008.jpga1180_005009.jpga1180_001674.jpg

 一方でだらっと力を抜いている大人たちは、次の写真の骨格模型に描いた矢印の方向のように、胸が開いています。
DCIM0010胸が開く.jpg
このタイプの体の使い方が染み付いていると、ダラッとしている時だけでなく、姿勢を良くして背すじを伸ばそうとするときにもやはり力を入れて胸を開こうとします。当然骨盤も開いていきます。体全体を常に開こうとする癖がついてしまっているのです。体を開いて背骨方向に力を集めています。こうなってしまうと、もう胸を締めることが容易ではなくなってしまいます。猫背になる以外に自分では胸や骨盤を締めるのが難しい状態になっていくのです。


 したがって背中側では下の骨格模型に描いた赤い矢印の方向に力が集まっていきます。
DCIM0009歯交い締めコリの坩堝.jpg

 無意識に動くことが多い子どもたちや、動物的感覚が研ぎ澄まされたアスリートたちの無意識の、バランス感覚に優れた動きとは間逆な方向に力が集まっています。意識と集中力の高くなっている大人たちは、何をするにも一点集中型になりやすいのです。

 そこでリラックスするために力を入れる、そんな矛盾した現象が発生します。肩甲骨に押し出されて、首は青い矢印のように前に押し出されます。それをおさえつけようとしてあごを引くひともいます。また体重は背骨に描かれた青い矢印の方向に集中して集まってきます。そうなるとオレンジ色の楕円でかこった部分に負担が集中して、凝りや痛みの原因になっていきます。


今回はわかりにくかったかもしれませんが、いかがでしょうか?


リラックスしているのに疲れがたまっていく。そんな自覚症状もでている方、そんな方はぜひ当院の施術を一度お試しください。

DCIM0007.JPG








nice!(1)  コメント(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

力を抜く方法(その2) [身体の使い方]

 今日は前回の続きで力を抜く方法についてお話してみたいと思います。


 前回は力を抜くという行為が、正確にとらえようとすればするほど微妙なものであること、例えていうなら1か0かを判断すればよいデジタルな思考ではとらえにくい、いわゆるアナログ的な現象であることをお話しました。力を抜くこと一点に意識を集中して行おうとすると却ってうまくいかない傾向があるということです。


 こうお話すると、そんなことは無い。自分はそれができると思われた方もおられるかもしれません。

 確かにある意味では力を抜くのは、意識を集中して行うこともできます。



 
 簡単に言えば、それはいわばダラッとするとかダラーンとするリラックスのやり方です。



 しかし実はここに力を抜くことが難しい三つ目の原因があります。

 実は肩こりや腰痛などで整体院にこられる方には、力をぬいてくださいといわれるとどうしていいかわからなくなる方と、力を抜くときには常にダラッとすることが習慣になっている方がとても多いのです。

 そしてダラッとするとかダラーンとする以外にリラックスする方法があります。


 まずは、下のいくつかの写真をご覧ください。
a1180_001674.jpg
a0780_000008.jpga1180_005009.jpg

 この写真の子どもたちはとてもリラックスしていますが、ダラッとしたりダラーンとしたりはしていません。

 では次にダラッとリラックスしている大人たちの画像をご覧ください。
a0001_000469.jpga0055_000759.jpga1180_000931.jpg

 それぞれのリラックスにはどんな違いがあるのでしょうか?
 簡単に言うと、大人たちは固いものに寄りかかろうとしています。硬いゴルフクラブが無い写真では、カラダのどこかを硬くしてそこに寄りかかっています。

 一方子どもたちは、やわらかいカラダのままリラックスしています。

 つまりダラッとするとかダラーンとするためには硬いものが必要です。硬さとやわらかさを2極分化したデジタルなやり方でリラックスすると、ダラッとするとかダラーンとすることができます。(そういうリラックスをしてはいけないわけではありませんが、そのようなリラックスはカラダのどこかが硬くなっているので、長く続けてしまうと硬さが固着していわゆる凝りの状態になっていきます。)



 小さな子どもたちにはまだ力があまりありませんが、小さな体でアンバランスに大きくて重い頭を支えています。体幹の筋肉でカラダを硬くして寄りかかったり、ぶら下がったり腕力で何かにつかまってダラッとリラックスすることができません。必然的にアナログなリラックスをするしかないのです。全体がバランスの中でいわば本能的に野生の動物~ネコ等がわかりやすい例です~のように調和しています。
 このようなリラックスをしているのは実は子どもだけではありません。カラダを使うのが得意な人々は大人になってもこういうリラックスをし続けています。わかりやすい写真素材をうまく見つけられなかったのでUPしていませんが、ご来院いただいた方にはご自身のお体で味わっていただくことができます。お好きなトップアスリート~ダルビッシュ投手や羽生結弦選手など~のオフショットなどを思い浮かべてもらってもいいかもしれません。
 また、自転車に乗っている時の軽やかで自由な感覚を思い起こしていただければ、それに近い感覚をイメージしやすいかもしれません。逆に補助輪つきの自転車に乗っている時の重くて不自由な感じが、硬いものに寄りかかるリラックスです。


 次回も引き続きこのアナログなリラックスとデジタルなリラックスの違いについてもう少し詳しくお話しましょう。


DCIM0145.JPG

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

力を抜く方法 [身体の使い方]

 凝りとは何でしょう?
それが筋肉が固まってしまった状態だとしたら、力が入ったまま抜けなくなってしまった状態だと考えられます。
 緊張とは何でしょう?
心理的な要因などから自分の意思とは無関係に、体が硬くなる現象だとしたらやはり、不必要な力が入ってうまく抜けなくなっている状態だと言えます。

 ではその力はどうしたら抜けるのでしょう?
力を抜くことなんて簡単なようにみえるのに、何故凝りや緊張で悩む方がこれほど多いのでしょう?
今回はそんなお話をしてみたいと思います。


 力を抜くことが簡単なようで難しいということには、理由があります。
実は多くの方が力を抜くということに対して思い描いているイメージと、現実のカラダの仕組みとの間には少なからず相違があるのです。


 まず一つ目に言っておかなければならないことは、あまりにも当たり前のことですが、大前提として私たちは生きているかぎり100%力を抜くということはありえません。力を抜くと言うとき、私たちは死体のようにその場で大地に崩れ落ちて朽ちていくことを想定しているわけではありません。
例え体を横たえているとしても、最低限体の形を保つ必要はあるわけで、スーパーで売られているような肉片になることを目指しているわけではありません。


 つまり、力を抜きたいという言葉を正確に表現すると、抜きたいと思っている力、不必要なのに入ってしまって抜けない力だけを抜きたいということで、その人が立っているなら、立っているのに必要な力以外を抜きたいということですし、座っているなら座るのに必要な力以外寝ているなら、横たわるのに必要な力以外を抜きたいということになります。


 もっと現実に即して言えば、その時点で生活するのに必要な力以外を抜きたいということになります。
 たとえばずっと立ちっぱなしで足が棒の様に硬くなってしまったから、やっと座れた今、その力はもう不要だから早く抜きたいとか、これから舞台で演奏する音楽家が、緊張のために固くなってしまっているので、演奏に
必要な力以外を抜きたいという思いなどが、様々な場面ごとにあるということです。


 ですから、力をうまく抜くためには、抜きたい力と抜きたいと思っているわけではない力の中から抜きたい力は抜いて、入れたい力は入れるという行為をすればいいわけです。


 
 しかしここで問題が発生します。人間の意識は二つの相反する行為を同時に行うということがひどく苦手なのです。集中するばするほど、ひとつのことしかできなくなります。


 これが二つ目の問題です。長くなりましたので続きは次回。
DCIM0144.JPG




nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

骨盤の歪みと頭蓋骨の歪み(その2) [身体の使い方]

 前回の続きを書くお約束でしたが、随分間が開いてしまいました。

 前回は骨盤が開くとはどういうことかと、それにともなって歪みが全身に波及していく様子について簡略化してお話しました。


 今回は、やはり簡略化したものではありますが、もっとピンポイントに頭蓋骨に波及する歪みについてお話しましょう。


 まず下の図1は、自分の骨盤を上から見下ろすように示したものです。
そして骨盤が開くとは前回お話したように、赤い実線で描いた矢印の方向に、前下方から上後方にひらいていきます。
骨盤底開く.gif
図1

 そして次の図2は頭蓋骨を横から見た図です。色分けしてわかりやすくなっていますが、頭蓋骨は実はひとつの塊では無く、板状の骨が組み合わさってできています。
赤ちゃんの頭を触ったことがある方はご存知だと思いますが、生まれたばかりの子どもの頭は非常にやわらかいです。
 板状の骨にたくさん隙間があるのです。大人になるにしたがって隙間はふさがっていきますが、多くの隙間は完全に結合することはありません。可動性を残しておくことで脳脊髄液のリズミカルな新陳代謝を可能にします。またそれぞれの結合部分はギザギザした凹凸があるので、その凹凸の方向にそって可動可能な方向が決まっています。この頭蓋骨を赤い実線のところで切って上から見てみます。
脳室.gif
図2


 それが次の図3です。ここは脳が収まっている場所であり、その底になります。
頭蓋骨底.gif
図3

 




 ここで前回の記事をもういちど振り返ってみますと、骨盤を開いて使っている人は下の図4のように頭を引っ張っています。それを骨格図に落とし込めば図5のようになります。
下腹.jpg
図4
bone_skull_sideopen.gif
図5

頭蓋骨の底を上から見た場合図6のようになります。並べて見れば骨盤と頭蓋骨が同じような構造でできていて、同様に前下方から後上方へ開いていることがわかります。
頭蓋骨底open.gif
図6
骨盤底開く.gif





 こうして背骨をはさんで上と下で連動した歪みが発生するのです。

DCIM0006.JPG


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

骨盤の歪みと頭蓋骨の歪み [身体の使い方]

 膝痛のところでも触れましたが、骨盤が開くと連動して頭蓋骨も開きます。
今日はそれを詳しくお話してみようと思うのですが、骨盤の開きといっても個人差がありますので太って見える方も、やせて見える方もいます。また、骨盤が左右の開き方が違ってねじれながら開く方もいますので、一様ではないのですが、今日は誤解を恐れずにできるだけわかり易い開き方のパターンで簡単に説明してみたいと思います。


 骨盤は前下方に閉まっていることが重要です。それが開いてしまうきっかけは様々ですが、典型的に開けば下腹が開いてぽっこり出てきます。pelvisfemale_antehiraku.jpg

 そのままでは体を立たせておくことが困難になってしまうので、最も簡単に骨盤を安定させることができる方法を選ぶことになります。
 つまり骨も筋肉も多い骨盤の後上方を閉めていくことになり、ますます前下方は開いていきます。
骨盤後上方.jpg
 骨盤の下方つまり底が開くと、当然内臓が下がってきます。
下がる内臓を使いやすい腕力や下あご周りの筋肉で、力ずくで引っ張り上げようとするので、胸は張れていても,
はと胸になったり、胸の中央が凹んでいたりします。またあごが上がってきます。
下腹.jpg
 あるいはさらにこじれていくと、あごが上がるのが気になってあごを上げた上でさらにあごを引いたりします。力ずくの連鎖ですね。
あご引く.jpg
 そうなると、横から見るとあごの無いシルエットの顔になってしまいます。

 このまま力を失ってだらっとした内臓を、常に力んでいる腰周りの筋肉、腕力、顎力で引っ張り続けていると、年を重ねるごとに様々な内臓の不調や筋肉の強ばり、骨格の可動不良が強くなっていきます。

 また、このバランスのまま姿勢を気にして背筋を伸ばそうとすると、さらにこじれていきます。
まず背骨のすぐ前側を引っ張り上げるか肋骨ごと引っ張り上げるかで、やせ型の開くタイプか、はと胸タイプになるかが違ってきますが、どちらも力ずくなので背骨の後ろ側、つまり本当の背筋はつぶれていきます。そのつぶれた側に脊髄神経の通る脊柱管があるので神経痛やヘルニアの危険がでてきます。
背筋のつぶれ.jpg


ちょっと長くなってきたので、続きはまた次回。
 


DCIM0003.JPG

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康
前の10件 | 次の10件 身体の使い方 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。